デビッド・ヌーナン教授のグローバル教室② サードカルチャーキッズ(Third Culture Kids)(前編)
February 3, 2017 2025-01-17 11:46デビッド・ヌーナン教授のグローバル教室② サードカルチャーキッズ(Third Culture Kids)(前編)
私の二人の子どもたちはオーストラリアで生まれ、香港で育ちました。上の子どもはイギリスの大学に進学し、以来イギリスに住み続けています。下の子どもはアメリカの大学に進学し、5年間アメリカに住み、卒業後は香港で暮らしています。
その間、母語の英語のほか、フランス語や中国語、スペイン語や広東語など、さまざまな言語を学びました。二人とも世界各地でさまざまな文化や生活スタイルで生活し、そして学んだり、働いたりするのに抵抗がないというグローバル市民です。そんな彼らは「サードカルチャーキッズ」という定義に当てはまります。
「サードカルチャーキッズ」とは、生まれた文化以外の文化の中で育ち、教育を受けた子どもたちのことです。彼らは紛れもなく他国の異なる文化で育ったという強みがあります。これにはユニークでまたとない教育機会が含まれます。異なる文化の中揉まれるということは、ひとつの文化の中にいるだけではなかなか得づらい、自分のホーム・カルチャーに対する異なる視点、そして世界を見る視点を与えてくれます。
少なくともひとつの言語を、自然なかたちで使われているそのコミュニティーの中で学べるような、各地を旅する機会も頻繁にあります。簡単にいうと、世界を異なる目で見ることができるのです。サードカルチャーキッズは柔軟で、適応力があり、世界中での教育システムの肝要である21世紀のスキルを獲得するのに申し分ない環境にいます。
しかし、「サードカルチャーキッズ」には、代償もあります。長所と短所があるのです。