サステナビリティ(持続可能な経営)というトピックに特化したアナハイム大学のMBAプログラム、グリーンMBAプログラム(MBA in Global Sustainable Management) を2015年に卒業され、現在パイロットとして航空会社に勤務する田中昌光さんに、本学での経験についてお伺いしました。

1.現在のお仕事について教えてください。本学で学んだことは役立っていますか?

 現在、沖縄にある日本トランスオーシャン航空という航空会社の機長をしています。

 航空会社はどちらかというとサステナビリティ(持続可能な経営)という意味では進んでおらず、その意識が低い業界ではあります。つまり、改善の余地が多く残された業界です。業務の効率化や定時性維持(時刻表に記されている時間に出発すること)などの理由により、使い捨てが横行しており、非エコな状態です。飛行機が飛ぶこと自体、かなり環境に負担をかけているのですが、この業界の経済的な環境が、現状を変えられない理由のひとつだと思います。

 航空会社は差別化の難しい業界で、同質的な競争にならざるを得ず、価格競争か、量的競争のどちらかを強いられます。低価格競争に対抗するため、業務を効率化し、厳しいタイムテーブルの中定時性を維持して欠航をなくし、輸送量の確保を図ります。安価な業務品を使い捨てすることで、両方の競争で優位に立とうとします。国内線は特にその傾向が強い状況です。

 沖縄の空を中心に飛ぶことが私の仕事ですが、上空から見る、オーシャンブルーの海と澄み切った青い空、白い雲を見ていると、企業活動・社会・環境をいかに調和して発展させていくこと(トリプル・ボトムラインの黒字化)の重要性を感じます。変革を起こすには、大きな取り組みと社会の変化が必要です。大きな改善の余地が残されたところに、少し踏み込んだ視点から現状を理解し、今後につなげるという意味では役に立っているのではないのでしょうか。 

2.アナハイム大学、およびグリーンMBAを選んだ理由について教えてください。

 経済学の勉強を延長したいという思いから、大学院についていろいろ探したのですが、仕事をしながら勉学を両立できるところが少ない状況でした。在京であればまだしも、地方からではなかなか難しいのが現状です。仕事柄、沖縄の大学院にも通学は厳しい状況でした。その折、インターネットで通信制のアナハイム大学を見つけ、費用も比較的安かったので、入学を決めました。盛田昭夫さんの志にも共感し、はじめはインターナショナルMBAをと思ったのですが、グリーンMBAの概要を知るうちに、この考え方はこれからの企業活動のコンセプトになるのだろうと思い、グリーンMBAを選択しました。

 現在の仕事はパイロットですが、組合組織の仕事で地域航空の研究を担当したことがあります。沖縄は島嶼県であり、各特色をもった離島が集合した県となっており、どれも欠けてはならない存在です。調査を進めていくうちに、航空輸送と地域生活、地域経済、さらに日本で唯一無二の海洋性を発展させていく大切さを理解できました。正に、グリーンMBAの課題です。グリーンMBAでも基本的な経済学、商学的な科目は必須科目なので、IFRSなど今後の世界標準の会計基準なども直に学べます。 

 

3.最も印象に残ったことは?

 先生も含め、世界中の学生と交流ができることが印象的でした。国籍、年齢、性別も違う学生たちが集い、共同制作のレポートを仕上げることもあります。ディスカッションではそれぞれの考えを述べる。各科目には必ずリモートシステムを用いた対面授業があります。日本時間では土曜日の午前9~10時くらいに始まるのですが、ヨーロッパではまだ真夜中、アメリカでは夕刻、中アジアでは早朝と一つの画面に皆が一同に会するのがとても面白かったです。私自身が海外に行った時は、インターネットのアクセスさえあれば授業が受けられます。久しぶりに仲間に会い、他愛もない会話を交わすのも一興です。旅行で沖縄に来た方もいて、食事をしたこともありました。

 共同制作では、共通の言語で一つのことを議論しつつ、役割を決めながら進める。誰かが遅れそうなときは丁寧に連絡を取って締め切りまでに仕上げる。日頃の課題もある中で少々手間もかかりますが、楽しかった思い出として残っています。

 レポートはアメリカ書式(APA)を標準に提出するのですが、日本語の論文もあまりわからない中、苦労しました。提出するレポート数が比較的多いので、それも次第に慣れていきました。共同制作のレポートも女性の方々がまとめたものだとお洒落なデザインを入れたりと、なるほどと思うことも多々ありました。

 

4.その他コメント

 英語もそれほど得意ではなかったので、入学してから卒業できるか不安はありました。しかし、入学後、しばらくするとその不安も消えました。読書量は多めですが、その科目についての内容なので、理解するのはそれほど難しくありません。先生もおっしゃっておられましたが、英語の授業ではないので、レポートも内容第一で扱われます。書式に則って作成すればほとんど問題になりません。また、日本の感覚とはやや異なり、課題に取り組む姿勢がかなり評価されますので、評価は納得のいくものがほとんどです。

 海外ではサステナビリティはかなり注目されていて、企業はAnnual Report のほかにSustainability Reportも発行することが主流になっています。それを担当している方々と一緒に学んでいました。日本も将来的に重要視されることを期待しています。  

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